以前は、部屋ごとに、
天井の真ん中に1個シーリングライトと呼ばれる
大きな照明器具を付けるのが主流でした。
この器具の良いところは、なんと言っても、
寝る時に、常夜灯(別名豆球)に出来ることであり、
真っ暗にして寝るのが怖い人にとっては
非常に嬉しい機能なんですよね(笑)
しかし、この器具はデザイン的な面で言うと、
決してカッコ良いとは言えないことから、
近年は、この器具に変わって
ダウンライトと呼ばれる天井埋め込み型の
小さな照明器具を数多く設置するようになってきたり、
間接照明を随所に使用することが主流となってきています。
そして弊社でも、照明器具のベースを、
ダウンライトで設計させていただいているのですが、
意匠性を高めるために、
バランスを考えて器具を配置することはもちろん、
部屋や場所によって設置する場所に気を付け、
より過ごしやすい空間になるように工夫を施す必要があります。
例えば、寝る時は上を向いて寝るため、
基本的にはベッドの真上に器具をつけないようにすべきです。
シーリングライトなら常夜灯に出来るので問題ないですが、
ダウンライトは、たとえ調光機能をつけたとしても、
どうしても常夜灯よりも明るくなってしまい、
睡眠の妨げになりやすいからです。
また、こういったプライベートルームは、
寝る前に過ごす場所なので、
リラックスして過ごしていただけるように
照明を配置すべきなのですが、
読書や勉強をする時には、暗いことがストレスになるため、
同時にそうならないようにも気を付けなければいけません。
リビングにおいても、
よく考えて照明を配置すべきです。
テレビに光が直接当たり過ぎると、
反射して画面が見にくくなってしまうし、
一方で、ソファーを置く場所にも、
直接的に光が当たり過ぎると、
逆にリラックスして過ごしていただきにくくなってしまうからです。
それゆえ、プライベートルーム同様、
直接的に光を当てた方がいい場所と、
間接的に光を当てた方がいい場所で、
器具を使い分けたり、配置に工夫するなどの配慮が必要になります。
ダウンライトの設置位置を工夫したり、
あるいは、別の器具で光を補助的に補ったり、
あるいは、間接照明を使ったり、という風に。
そして、この光に対する配慮は、
夜だけじゃなく、日中においてもきちんとすべきことです。
例えば、寝室は文字通り、
「ただ寝るだけの部屋」であるため、
基本的には、太陽が出ている間は使うことがありません。
そしてそう考えると、そもそもこの部屋を、
日当たりが良い位置に配置する必要がありません。
また、子ども部屋に至っても、
日当たりが良い南に配置し、
しかも大きな窓をつくってしまうと、
太陽の光線が鬱陶しくて、
自分の部屋で勉強しにくくなってしまうため、
無理に日当たりが良い位置に配置する必要はありません。
子供たちは、遅かれ早かれ、
いずれ出て行くことになるし、
そうなれば物置として使うようになる可能性も
充分にあり得ますからね。
他方、一般的には、
日当たりを良くした方が良い場所が、
なぜか日当たりが悪い場所に配置されています。
洗面室やランドリールームといった水回りです。
最近は、アレルギーのこともあってか、
外干しよりも室内干しを希望される方が増えていますが、
そうなれば、ランドリールームは、
出来るだけ太陽の直射日光が当たる場所に配置した方が、
いいとは思いませんか?
直射日光が当たれば、除菌効果がありますしね。
この他、一番過ごす時間が長いリビングは、
一番日当たりを良くしたいと誰もがお考えになるし、
その実現のために、リビングを一番日当たりが良い南に配置し、
その南面に大きな窓を設置されますが、
そのほとんどがカーテンが閉じられた状態になってしまっています。
丸見えになってしまうからです。
また、日が入ってき過ぎて暑いせいか、
あるいは、紫外線で家が傷んでしまうのを防ぐためか、
あるいは、光がテレビに反射して見にくいせいか、
あるいは、防犯的な理由なのか、
シャッターまでも閉まっているお家をよくお見かけします。
これでは、光が室内に入ってこないし、
なんのために大きな窓を設置したか分からないですよね?
ですから、日中の自然光も、
直接的に採り込むべき場所と
間接的に採り込むべき場所を見極めて、
敷地条件に合わせて間取りを考えるようにすべきなんですよね。
結果、昼間も夜も、
非常に過ごしやすいお家が出来上がるというわけです。
「光」は心地いい暮らしをするために、
最も大切な要素と言っても過言ではありません。
それゆえ、昼も夜も大切な「光」を、
心地よく感じられるような住まいを意識しながら、
間取りや外観をつくっていっていただければと思います。
それでは、、、
2019年3月にSMBCコンシューマーファイナンスが
30歳〜49歳の男女1000名を対象に、
『現時点で、どのくらい貯蓄が出来ているか?』
を調査したところ、
全体の約23%が『現時点での貯蓄額は0円』と回答し、
全体の約25%が『1万円〜50万円以下』と回答したとのことでした。
つまり、この2つの割合を合計すると、
30歳〜49歳の全体の約半分の方が、
貯蓄が“全くない”か、あるい“ないに等しい”
という結果が出たということなのですが、
この結果が物語っていることは、
計画的に貯蓄していくことがいかに難しいのか、
ということではないでしょうか?
しかし、この結果が招く最悪の結末は、
老後貧乏に陥ってしまうということです。
まだまだ若く体が元気なうちは働くことが出来るし、
不足分も金融機関から資金調達出来るため、
なんとか乗り切って行くことが出来ますが、
歳をとればそういうわけにもいかなくなりますからね・・・
また、年金の支給も確実に減るでしょうからね・・・
それゆえ、給料の金額に関係なく、
問答無用で強制的に貯蓄していかないといけないわけですが、
そのためには、まず収入と支出のバランスを
しっかり考えるようにしなければいけません。
つまり、入ってくるお金を急激に増やすことは難しいので、
出て行くお金を合理的に見直すようにするというわけですね。
とはいえ、生活費や食費をやたらと切り詰めたり、
こずかいが激減したりするのは、
ただただストレスばかりを溜めることになるので、
一番、固定費として見直して欲しい費用は、
家賃や住宅ローンといった居住費です。
例えば、あなたが欲しい地域で土地を買い、
あなたの希望が全てが詰まった家を建てるためには、
35年に渡って毎月9万円の返済が必要だとします。
しかし、そうすることによって、
全く貯金するゆとりがなくなってしまうとしたら、
これは果たして正しい選択なのでしょうか?
この場合、
もし毎月の負担を2万円減らすことが出来れば、
そして、その浮いたお金を35年間節税効果もあるところに
貯蓄していくことが出来れば、
35年後あなたの手元に残るお金は、
1000万円前後違うことになるかもしれません。
また、家事と育児を夫婦で協力して行うことによって、
あなたの奥さんにもガッツリ働いてもらい、
給料の中から毎月2万円同じところに貯蓄していくことが出来れば、
さらにもう1000万円老後資金が違ってくることになります。
これが出来れば、
日々の暮らしにおいて何かを無理に我慢することなく、
老後に備えた貯蓄をしていくことが出来るようになります。
しかし、そのためには、
毎月のローン返済を2万円抑えられるように
土地選びと家づくりをしなければいけません。
35年ローンで家づくりを考えた場合、
毎月の返済負担を2万円抑えるためには、
家づくりの予算を600万円抑える必要があります。
そして、それを実現するためには、
家の予算を削るだけでは無理なため、
土地の予算をも削るようにしなければいけません。
いやむしろ、土地の予算こそ削るようにすべきです。
一般的に、土地は日当たりが良さそうなほど、
値段が高く設定されています。
そして、逆に日当たりが悪そうなほど、
値段が安く設定されています。
それゆえ、土地は値段が高い土地ほど人気があるし、
足早に売れてしまうため、
不動産屋さんの言い値で購入せざるを得なくなってしまいます。
つまり、必然的に出費が増えてしまうというわけですね。
しかも、格段に・・・
しかし、住みやすい家は、
日当たり良い土地にしか建たないわけでもなければ、
明るくて開放的な家は、
日当たりが良い土地にしか建たないわけでもありません。
事実、日当たりが良い土地に建っている家を
よーくご覧になってみてください。
そして、そこで暮らすイメージをしてみてください。
そのお家は、明るくて開放感に溢れてそうでしょうか?
そのお家は、住み心地が良さそうでしょうか?
そのお家は、プライバシーが守られているでしょうか?
そのお家は、防犯的に安心して暮らせそうでしょうか?
そのお家は、風通しが良さそうでしょうか?
これらを勘案した上で、
そのお家は、本当に住みやすそうなお家でしょうか?
実は、これらの要素は、
土地の日当たりの良し悪しに関係なく、
どんな土地であっても実現可能なことばかりです。
それどころか、
みんなが選ぶ日当たりが良さそうな土地ほど実現が難しく、
みんなが選ばない日当たりが悪そうな土地ほど
実現しやすかったりします。
ということで、
“住みやすさは土地の条件に左右されない”
という事実を頭に入れていただき、
土地に予算を使い過ぎて、
全く貯蓄出来ないような状況にならないように、
賢く土地選びをしていただければと思います。
せっかく家を建てても、
多くのご家庭のリビングダイニングキッチンが、
半年もしない間に、
たくさんのモノでごった返してしまうようになります。
確かに、リビングダイニングキッチンは、
家族みんながほとんどの時間をそこで過ごすため、
“この空間がいつもキレイに片付いている”
なんてことは、普通に考えるとあり得ないことかもしれません。
しかし、ゆったり贅沢な空間に仕上げ、
しかも家具や内装にもこだわったその空間を、
なるだけスッキリと、
そしていつまでもキレイに保ちたいという願いは、
家を建てる誰もが共通してお持ちなのではないでしょうか?
そして、そのためには、
掃除・片付けをこまめにする必要があるのかもしれませんが、
その状態を継続して保ちやすくするためには、
そもそも散らかりやすくなってしまう原因を、
間取りで解決することが必要不可欠となります。
では、そもそも家が散らかりやすくなってしまう原因とは
一体何なんでしょうか?
✔️原因その1:プライベートルームが全て2階にある
一般的に家は、
“1階がパブリックスペース”“2階がプライベートスペース”
であることを前提として間取りがつくられます。
つまり、寝室も子どもたちの部屋も全て、
当たり前のように2階につくられることになるのですが、
では、子どもたちは、
建てたすぐから自分たちの部屋をフル活用するでしょうか?
ですよね、、、
しないですよね、、、
また、自分たちの荷物を、
わざわざ自分の部屋まで片付けに行くのも取りに行くのも
非常に面倒くさいため、
いつも使うものは全て、
いつも居る場所の近くに置くようになります。
つまり、リビング付近にどんどんモノが増えていくというわけです。
さらに、子どもたちはもちろんもこと、
あなた自身も、いつも着る服やパジャマを、
わざわざ2階の自分の部屋まで
持って行ったり、取りに行ったりするでしょうか?
しないですよね、、、
だって面倒くさいですもんね、、、
結果、ダイニングチェアーやソファーには、
いつも着る服が掛けられたり、
脱ぎっぱなしで放置されたりすることになってしまいます。
✔️原因その2:収納のつくり方が悪い
そして、2つ目の原因が、
収納のつくり方が悪いことです。
例えば、一般的な家は2階がスペースが余りがちなので、
1階にあまりつくれない収納を、2階で補おうとするのですが、
そもそも、起きている間のすべての時間を過ごす
と言っても過言ではない1階に収納がなかったり、
収納が少ないこと自体が大問題だと思いませんか?
また、至る所に分散してたくさん収納をつくるのも、
決してオススメ出来ない収納のつくり方です。
非常にモノの管理がしにくく、
どこに何を置いたか分からなくなってしまうため、
モノがなくなりやすく、
そうなれば無駄な出費が増えるし、
かつモノがどんどん増えていくことで、
さらなる収納不足を招く原因にもなってしまうからです。
さらに、奥行きが深い収納を無駄にたくさんつくることも、
決してオススメ出来ない収納のつくり方です。
奥行きが深い収納は、
手前のスペースが全てデッドスペースになってしまうため、
そもそも見た目ほど収納することが出来ないからです。
また、無理矢理手前にモノを置いてしまったりすると、
奥に置いてあるモノが分からなくなってしまったり、
忘れてしまうようになるため、
無駄な出費を増やし、モノをどんどん増やしてしまい、
さらなる収納不足を招く原因にもなってしまうからです。
収納に関しては、
実に多くの方が、知らず知らずの間に、
これら3つの間違いを犯してしまっているのではないでしょうか?
この他、キッチン前につくるカウンターなども、
当たり前のようにみんなつくるわけですが、
これも家が散らかりやすい原因となってしまいます。
ちょうどモノが置きやすい高さでつくるのが、
このキッチン前カウンターだし、
それを料理の中継地点としてつくろうとする方が多いですが、
その主たる用途として使う時間はごくわずかなため、
必然的に、色んなモノをそこに置いてしまうようになるからです。
そして、その結果、
常にそこには何かが置かれている状態となります。
リビングやダイニングから丸見えとなる一番目立つところに・・・
共働きが当たり前となった今は、
家事への負担をいかに減らすことが出来るか?は、
家を建てる全ての方にとって、
非常に切実であり、大切なコトだと思います。
ということで、
お伝えさせていただいたことを考慮しつつ、
家づくりをしていただければと思います。
きっと、あなたの片付けや掃除の手間を
大幅に楽にしてくれるはずですから。
窓をどう考えるのか??
家造りの大きな問題になってきます。
よくあるのは、
「窓大きくして明るい部屋にしたい」みたいな要望でしょう。
暗い家は避けたい、そのお気持ちもすごくわかります。
ただ、これをそのまま採用するとどうなるか?
夏は暑くて冬は寒い家になってしまいます。
また、耐震的な強度も落ちると考えた方が良いでしょう。
なので窓の選択肢のすべてをお客様に任せしてはいけないと言う事です。
総合的な事を考えらながら判断しなければいけませんからね。
いくら高性能な窓でも、壁の断熱性能を上回る事は難しい。
なので窓面積を出来るだけ小さくする事で断熱性能を上げる事ができます。
窓は家の性能に大きくかかわる事になる。
よって総合的に考える必要があります。
総合的に考えるのは設計者ですね。
エイジングハウスの窓は「樹脂サッシ」になります。
断熱性能を考えるとそうなるわけです。
性能を落とすのであれば「アルミサッシ」と言う考え方になります。
エイジングハウスの家は耐震等級3も取るので耐力壁をバランスよいく配置する事になります。
まずは強度と断熱が優先です。
だから故、断熱も耐震も計算を行います。
なので「窓を大きくしたい」みたいな事には、根拠を出して説明をさせていただきます。
窓を色々と要望とか変更とか聞いてくれる会社は「怪しい」と疑った方が良いと思います。
だって、性能が色々と動き回るという事ですからね!!
屋根の形状や材料はどうやって決めているのか??
第一は予算です。
予算的に出来る形状に、使える材料にと選別していくのが普通です。
なのでもし使いたい材料があるのならば最初で言っておかないと危険です。
なぜ最初なのかって??R+houseは構造計算を行います。
この時に屋根の材料で屋根荷重が大きく変わるからです。
簡単に言えば瓦とガルバリウム鋼板では荷重がまるで違ってきます。
100㎡の屋根面積である場合、瓦だと荷重が4,800キロになります。
4.8トンです。ガルバリウム鋼板だと500キロですから重量差は約10倍弱になります。
当然ですが構造体は大きさが変わっていく事になる。
重い物を支えるにはそれなりの材料が必要になるわけですから、価格も大きく上がる事になります。
また、耐震的にも重量がある場合、耐力壁の長さが増えます。
その事でも工事費は上がる事になる。
重たいと地震に対する補強が必要なんですね。
よって瓦は予算が無いと難しい事になります。
今度は「片流れの屋根が良い!!」ってなったら長く葺ける材料しか使えません。
また勾配を緩くとなっても葺ける材は金属屋根しかないって事になります。
なので片流れとなった場合はガルバリウム鋼板しか使えません。
この様に材料や屋根形状によって使える材料は決まって来るし、予算的には使える、使えないが出てくるわけです。
なのでこれは設計をする前に決めておかないと、途中での変更はまずできません。
もし変更する場合は設計自体を一度白紙にしないと後が大変な事になります。
まあ、構造計算をしていない場合は数字の根拠が無い分、判断もできないって事になります。
設計者は全ての事を考慮して屋根の形状や材料の選定をやっているわけです。
それを簡単に変更する事はありません。
なので要望がある場合は先にお話ししていただけるとそれはできませんとか、追加で工事費を頂く事になりますとか、大丈夫ですよとか判断する事にしています。
恐ろしい事を言う人がたまに居ますからね(笑)
たまに見るローコスト住宅のプラン。
部屋の数は普通の家と同じですが、価格を抑えるために普通の家に在ってローコストの家には無いものが有ります。
それは「収納」です。
予算を抑えるための手法かもしれません。
もしそれで家を建てて住み始めるとじわじわと不便さや不自由さが感じ取れるようになっていく事でしょう。
収納が無いので部屋に物があふれていきますからね(汗)
シューズクロークが玄関にはありません。
子供の靴や親の靴が所狭しと並んでいく事となる。
季節の靴など部屋の片隅などに箱で積まれる事でしょう。
当然ですが大きなクローゼットもありません。
そうなると寝室の壁にロープを張り、そこに吊り下げられることになるのは必定でしょう。
寝室はうっとうしい空間に早変わりです。
しかもクリーニング臭が充満する。
パントリーも無い。
買い置きの食料品や調理器具が色々な場所に分散されて置かれる事になる。
料理のたびに置いてある場所まで移動する事になります。
そうなると家事は大変です。
収納が無い分、色々な箱型の収納や家具屋の棚などを購入する事にもなります。
家にはお金がかかっていませんが変なところにお金がかかる。
しかも家具には化学物質の規制が無いので、凄い臭いを放ちます。
それを呼吸で肺に入れて体内に取り込む。
そして体調不良になる。
いわゆる「シックハウス」なんですが、実は安い家具が原因とかになる。
収納が無い事で色々な問題が生じてしまいます。
ローコストな家のプランを眺めながらいつもそんな事を考えます。
そこまでして家を建てるかな??そしてそれは正しい事なのでしょうか??
「この辺りの壁にニッチを付けたいのですが??」
「はい。分かりました。そこには何を飾りますか??」
「そうですね。ここは家族の写真を飾りたいですね」
「そうですね。玄関ですからそれが良いと思います。で、高さはどうされます??」
「ニッチの高さでしょうか??そうですね。どうが良いかしら・・・・」
「建築的に言えばドアの高さに合わせた方がスッキリと見えます」
「では、それで良いです」
「ドアの高さの2Mから下にニッチを作っておきますね」
これはよくある打ち合わせ風景です。
ニッチの高さをどうするのか??
普通はこの会話の中に出て来る「何かの高さに合わせる」が建築の常識です。
建築的には何かのラインを合わせる事がスッキリと納める鉄則なんですね。
でもこのニッチの場合は違います。奥様が家族の写真を飾りたいと言っている。
つまり、奥様は玄関で家族に「行ってきます」と「ただいま」を言いたいはずです。
こんな時には、自分は玄関のタイル面に立っている奥様の目の高さにひとつ、玄関ホールに上がった時の奥様の目の高さにひとつ、ニッチを作ります。
誰が何を見たいのか??
それで高さを決める。でもいちいち奥様の目の高さなど測ったりしません。
立っているときに大体の身長は分かりますから、それから推測していきます。
最近はニッチなどは勝手に作っていきます。
構造的な事などで出来る場所が限られて来るので、打ち合わせとかしても構造計算が終ったら難しくなったりするからです。
場所も高さも種類などもお任せですね。その方が上手く行きます(笑)
やっと建てた家。
収納もたくさんあって便利なんだけど、引っ越ししてちょっと気になっているのが「シューズクロークの臭い」って事。
子供の靴とかから臭いがしてくる。
雨の日なんて最悪で、玄関中にあの臭いにおいが充満している。
そこで対策としてやった事は消臭剤と芳香剤を置く事でした。
これも切れたら臭いがしてくるので、気を付けておかないといけません。
すぐに効果が無くなるので買い置きしておかないといけない。
住宅会社にも聞いてみたけど、
「換気扇を付けるぐらいでしょう」
との事でした。
根本的な解決は無いのでしょうか??
はい。有ります。
エッグパルプを貼ると良いですね!!卵の殻が臭い成分を吸収して、消臭してくれます。消臭剤では臭いの元が無くなるわけでは無いので、臭い成分は存在し続ける。
スプレー式の消臭剤などは元が「水」なのでかえって湿気を与えてしまい雑菌の温床になる可能性が高いでしょう。
「なんでも要望をおっしゃってください」
なんて始まるヒアリング。
これって非常に危険です。
特に要望をどんどん打合せ記録に書き写していくだけの打合せは危険度が高いでしょう。
本来ならば「資金計画」をしてから要望を聞くのが筋です。
どれだけ予算が有るのかが分からない状態で要望を聞くのは話が逆になっています。
しかも要望という名の「欲望」を聞きまくると言いたい放題の事ばかりになってしまうのは世の常ですね。
そして最後はお決まりの「予算オーバー」です。
資金計画をしっかり立てる事で、どのくらいの大きさの家が建てられるかが見えてきます。
建てる家の仕様がしっかりと決まっている会社であれば平均値で予算は組める。
大きさが決まれば、それを要望で大きくするという事は「予算を超えますよ」という意味になります。
つまり、要望は「お金は大丈夫でしょうか??」という質問で判断できるという事です。
「広いリビングが欲しいです」なんて言われても「今の予算では12帖ぐらいです。
それ以上広げると予算が足りません」となるわけです。
基本的には仕様変更はしません。理想の家の姿が壊れるからです。
そうなると大きさで調整するしかない。
予算が決まると家の大きさが決まる。
それが普通なんでしょうが世の中の住宅会社は全くの逆で動いているんですね。
色々な要望を聞いた後で資金計画を行う。
するとすでに予算を超えるプランが出来ていたりするわけです。
中には!!「怖くてお金の話ができない!!」みたいな営業マンが居たりしますからね。
お金の話がなかなか出て来ない場合は気を付けた方が良いと思います。
さて、予算で家の大きさが決まるって書いています。
この世の中は以前「大きな家が良い」という考え方が残っています。
でも、それはそれで危険なんですね。
子育てが終わった家には夫婦が二人って事になる。
そしてよく考えると子供が出て行った後の時間の方が長い事も分かります。
つまり、そんなに大きな家は不要であると言える。
どんな家を建てるのか??まあ、色々と夢や希望が有る事でしょうが「最後は二人」という事も頭に入れておかないと無駄な事に投資する事になります。
言っておきますがその投資の回収はできません(汗)
よく考えましょうね。
最近よく見かけるプランですが「玄関からトイレのドアが見えている」ってやつ。
面積の効率を考えての事でしょうが、玄関の中に人が入ってきている場合はトイレは非常に使いずらいという事になります。
「トイレを借りる人が家の中に入って行かないように玄関にトイレを作っています」
なんて言う人がいましたが「その家は誰の家なんですか??」って返したい。
大体、トイレを借りる人優先なの??家にトイレを借りに来る人なんているのでしょうか??自分は見た事も聞いたこともありません。
そんな事を想定しての設計はあり得ませんね。
それよりは家に住んでいる人がゆっくりとトイレを使えて、水道工事費が安くなるように設計した方が良いでしょう。
水周りをまとめて玄関から洗面所のドアが見える設計も見かけます。
これは年頃のお嬢さんとか居た場合、お風呂から上がって洗面所の外に出た瞬間にお客様と鉢合わせになる可能性が高いですね。
お互いが気不味い。
そんな設計はしない事にしています。
が、最近、チラシなどでよく見かけるプランになっていますから恐ろしいですね!!
経験の浅い設計者か、素人の営業マンがプランをしているのでしょう。
家は長い時間を過ごす場所です。全てが快適に過ごせないとダメでしょう。
設計上の問題で不快な事になるのはあまりよろしくありませんからね!!
色々な事を想定しての設計がいいですね。
だからお客様に「どうしますか??」って聞く事はあまり良い事ではないと考えています。