【Study】小さな家の収納づくり
前回、前々回と
住みにくさや使いにくさを
感じることなく
家を小さくするための方法を
お伝えさせていただいたのですが、
それに加えてもう1つ
家が大きくなる原因となる場所があります。
さて、今回は、
家を大きくしてしまう原因について
お伝えしていこうと思うのですが、
それは一体どこだと思いますか?
リビングでしょうか?
それとも書斎でしょうか?
✔︎あればあるほどいいと思う場所
ヒントは、これです。
さて、お分かりになりました??
その答えは「収納」です。
どれだけあってもいい
と思う場所ですよね。
しかし、実際のところは、
ただ単に収納を増やしたとしても、
それに比例して収納が増えるわけでもなく、
また片付けやすくなるわけでもありません。
それどころか、
無駄にコストが上がってしまうだけなので、
収納の正しいつくり方も
家づくりをする前に
知っておく必要があります。
✔︎「床面積=収納量」ではない
収納を考える上で知っておくべきことは、
収納の床面積を増やしたからといって、
収納量がアップするわけじゃない
ということです。
例えば、幅も奥行きも
それぞれ91cmの収納は、
半帖という広さになりますが、
この収納の幅と奥行きの有効寸法は、
それぞれ78cmずつとなります。
他方、幅を倍して、
奥行きを2分の1にすれば、
幅が182cmで奥行きが45.5cmとなり、
その有効寸法は、
169cm×32.5cmとなるのですが、
この2つの収納は、
どちらの方がたくさん置けて
使い勝手がよく、
また管理もしやすいのでしょうか?
この2つの収納は、
床面積は全く同じなのですが、
前者よりも後者の方が、
圧倒的にたくさんの物を
収納しておくことが出来ます。
では、掘り下げて考えてみましょう。
まず、前者の場合、
奥行きが78cmもあるのですが、
そもそもあなたの持ち物の中に、
そんなに奥行きが必要なものが
あるでしょうか?
(せいぜい布団ぐらいでは?)
かといって、
奥行きをうまく利用するのも
なかなか難しいものです。
手前になにか置いてしまうと、
奥のものを取り出す時、
いちいち除けないといけないため、
めちゃくちゃ面倒臭いですもんね。
また、そもそも奥に何を置いてあるのか
自体を忘れてしまうことになるし、
いちいち取り出すぐらいなら、
買ったほうが早いってなって、
出費は増えるわ・・・
同じものがまた増えるわ・・・
そんで置く場所にまた困るわ・・・
という負のスパイラルに
陥りやすくなってしまいます。
他方、後者の収納は、
奥行きが30cmほどの棚しかつくれないため、
手前になにかを置くことも出来ないし、
その分、幅が広いため、
前者の収納の倍以上のものを
並べて置くことが出来るようになります。
✔︎高さを有効利用するという考え
さらに、収納で大事なことは、
天井までの高さを、
いかに無駄なく使うかということです。
天井高2m40cmに対し、
棚を2枚を設置し、
1段あたり80cmの棚にするのか?
(本来は棚の厚みをここから差し引きます)
棚を5枚にし、
1段あたり40cmの棚にするのか?
では、収納力に圧倒的な差が出るのは、
一目瞭然ですからね。
これを具体的に計算してみると、
78cm×3段=234cm、
169cm×6段=1014cm、
と最大で4.33倍も収納力に差が出てしまう
というわけなんですよね。
このようにつくり方さえ分かっていれば、
無駄にコストを上げなくとも、
たくさんモノが置け、
片付けしやすく、また管理しやすい
収納をつくることが出来るようになります。
それどころか、これらを応用して、
収納を考えていくことが出来れば、
逆に面積を縮めながら、
より豊富な収納をつくることが出来ます。
ということで、
収納もただ単純にたくさんつくれば
それでいいわけではないということを、
覚えておいていただければと思います。
収納が増え、
面積が増えることによって喜ぶのは、
それによって建築コストが上がる
住宅会社だけですからね。