【Study】ランドリールームの注意点
『洗濯物を家の中で干したいので、ランドリールームが欲しい!』
という要望は、以前から時々あったものの、
ここ最近は、ずいぶんとその比率が増してきており、
今や家づくりのスタンダードと言っても過言ではないぐらいです。
もちろんその理由は、
共働きが当たり前となっているからだと思いますが、
共働きともなれば、
基本、昼間は誰も家に居ないため、
洗濯物を外にそのまま干しっぱなしにしにくいでしょうし、
洗濯の動線が少しでもショートカット出来れば、
家事の大きな時間短縮になりますからね。
アレルギー体質の人にとったら、
花粉がたくさん付着した洗濯物を、
出来れば着たくないですからね・・・
以上のような理由から、
多くの方が、というよりほぼみんなが、
洗濯物を室内で干すことが出来る
“ランドリールームをつくって欲しい・・”
と、お考えになられると思いますが、
とはいえ、ランドリールームをつくる時には、
気をつけた方がいいポイントがあるんですよね。
ランドリールームでゆったり洗濯物を干すためには、
最低でも2帖、出来れば3〜4帖は
欲しいところではないでしょうか?
そして、このランドリールームは、
洗濯機や洗面化粧台がある洗面脱衣室とは、
分けてつくりたいと思われているのではないでしょうか?
しかし、理解しておかなければいけないコトは、
“家の面積が大きくなれば、その分家のコストも高くなる”
ということです。
家の面積が大きくなれば、それに連動して、
1帖につき25〜30万円ずつコストが高くなっていきますからね。
それゆえ、家の予算に余裕がない場合は、
脱衣とランドリールームを分けないようにしたりとか、
その広さも最小限に抑えたりとか、
あるいは、どうしてもそれなりの広さが必要なのであれば、
他の何かを削るなどの選択肢を持つようにすべきです。
寝室や子ども部屋の広さを3帖〜4帖削るようにしたり、
あるいは、和室をなくすようにしたり、
といった選択肢ですね。
予算は、家づくりで一番大切なものである
といっても過言ではありません。
それゆえ、資金計画をした結果、
家の予算に充分なゆとりががあるのであれば、
このようなことを考える必要もありませんが、
予算と照らし合わせた結果、
その要望の実現が難しそうな場合は、
こういったトレードオフをすることによって
コストのバランスを取るようにしていただくことが大切になります。
リビングや寝室といった居室は南に配置し、
洗面やお風呂といった水回りスペースは北に配置する、
というのが、なぜか一般的な設計の考え方となってしまっています。
しかし、この考え方に縛られてしまうと、
脱衣室やランドリールームは、
日光が当たらない場所に配置されてしまうことになります。
また、必然的に風通しも悪くなってしまいやすくなります。
洗濯物の乾燥に欠かせないのは『風』なので、
このような配置になったとしても、
サーキュレーターや扇風機を回しておけば、
洗濯物はしっかりと乾くのですが、
出来ることであれば、
自然の風がたっぷりと通り抜ける場所で洗濯物を干したいですよね?
また、日光は洗濯物の乾燥に必要不可欠な要素ではないのですが、
出来ることであれば、
室内でありながらも、日光を浴びさせることによって、
除菌された気持ちいいフカフカの洗濯物にしたいですよね?
もしあなたが、このようにお考えになるとしたら、
必ずしも『居室=南』『水回り=北』という考えは、
頭の中から排除するようにすべきです。
ランドリールームに、
安心して窓が開けられる大きな窓を設置することが出来、
たっぷりと気持ちいい風を採り込むことが出来たら。
また、その窓からたくさんの日光を採り込むことが出来、
洗濯物に存分に浴びせることが出来るとしたら。
そのスペースは、寒くもなりにくいでしょうし、
同時に、ジメジメもしにくい場所になると思いませんか?
ですから、当たり前に縛られることなく、
その敷地の特徴に合わせながら、
ベストなポジションでランドリールームをつくることを
心がけるようにしていただければと思います。
いかがですか?
今回お話しさせていただいたランドリールームだけに限らず、
せっかくたくさんのお金をかけてつくったその場所に、
最大限にその役割を果たしてもらうようにするためにも、
その場所が担う役割が何かと
そのために適した場所がどこか?についてまでも、
よく考えながら家づくりをしていただければと思います。
そうすれば、より住みやすい快適な
建てた後も後悔しない家が出来上がるはずですから!