【Study】これからの家づくりで大切な事
「コンクリートの値段がけっこう上がったんで、
基礎工事の値段をちょっと上げてもらえませんか?」
先日、基礎屋さんから
このようなご相談があったのですが、
ここ最近、コンクリートだけに限らず、
建築資材の価格が徐々に上がってきています。
また、耐震や断熱を含め、
国が指定する建築の基準が、
どんどん厳しくなっていっていることから、
以前に比べて、そもそもの建築コスト自体も
高くなっているのが現在の家づくりです。
そして、それに加えて、
消費税がさらにアップしたため
つい5年前と比べても、家づくりに対する負担が、
ずいぶんと大きくなってきているのが現実ではないでしょうか?
まー、今回の増税に関しては、
以前の増税の反動による消費冷え込みを反省して、
増税前に建てても、増税後に建てても、
ほぼ差がない様な対策をしてくれているので、
単純に増税分負担が増えるわけではないんですけどね。
このような物価の上昇に連動して、
賃金も上がっていっているならば、
これはこれで、ほぼほぼ問題のない話なのかもしれません。
しかしながら、実際のところ、
年々、所得が上がっていっている
という実感をお持ちである方が、
一体どれくらいいらっしゃるでしょうか?
あるいは、以前の日本のように、
これからも安定して所得が上がり続けるという希望を
一体どれくらいの方がお持ちなのでしょうか?
家づくりも時代に合わせてしなければいけない
材料のアップや基準のアップ、
そして税のアップによって、
建築コストはどんどん上がっていっているのに対し、
所得が思うように上がっていなかったり、
今後も上がる見込みが薄いと思われるならば、
現実的に考えると、家を持つに当たって、
負担を減らすことをしっかり考える必要があります。
そして、家に関して、
品質を落とさず、それを実現するためには、
面積を小さくすることが欠かせない要素となります。
しかしながら、いくつかの理由から、
家を小さくするということに対する抵抗感が拭えず、
多くの方が、結局、家にお金をかけ過ぎてしまうことになります・・
理由その1:みんながそうしているから
家を建てようと思うと、
誰もが、住宅展示場や完成見学会に行かれると思います。
そして、そこで目にするのが、
同じような間取りのお家です。
また、同じような広さのお部屋です。
1階には広いリビングの他に和室があって・・
2階には寝室と人数分の子ども部屋があって・・
各部屋に、それぞれ収納がある上に、
大容量のウォークインクローゼットや納戸もあって・・
ご主人専用の書斎があって・・
奥さん専用の家事室があって・・
自分たち用の玄関の他に来客用の玄関があって・・
といったお家です。
これらの要素が実現されているお家を見続けていった結果、
夢と理想ばかりが膨らみ、
多少経済的な負担を背負ってでも、
当たり前のように自分たちの家にも、
これらの要素を求めるようになります。
理由その2:家を坪数で判断してしまうから
そして、家が大きくなってしまう2つ目の理由が、
「家はこれぐらいあるものだ」という固定概念です。
「最低でも30坪はあるものだ、出来れば40坪ぐらいは欲しい」
このようにお考えの方が、
数多くいらっしゃると思います。
おそらく、こうなってしまう理由は、
“みんながそうしているから”ということが、
一番多きな理由だと思いますが、
それだけの大きさが、
暮らし的にも予算的にも必要なものなのかどうか、
イマイチ深く考えずに決めつけてしまっていませんか?
理由その3:虚栄心から
最後に、3つ目の理由として、
“小さな家を建てることが恥ずかしい”
ということも少なからずあるのではないかと思います。
みんなより小さな家になってしまうことに対して、
変に劣等感を抱いてしまったり、
カッコ悪いことだと思ってしまうということですね。
また、家だけに限らず土地に関しても、
出来るだけ広く買いたいという感情を、
誰しもが少なからずお持ちなのではないでしょうか?
そして、冷静に自分自身の予算と照らし合わせが出来なくなり、
適正な予算を遥かにオーバーした買い物をしてしまう・・・
というわけです。
家づくりは、あなた自身にとっての
適正な予算の範囲内で行うべきです。
それゆえ、まずは、
あなたにとっての適正な予算を資金計画を、
今だけじゃなくもっと先のことまで見据えた上で行い、
土地や家に一体いくらかけられるのか?を知っていただき、
その範囲内で出来る家づくりをしてください。
そして、家を考える時、
決して家の面積にはこだわわないようにしてください。
たとえ、周りのみんなよりも
面積の小さな家になったとしても、
設計次第で、より暮らしやすく
より開放的な家にすることも出来れば、
よりオシャレでより高級感溢れる家にすることも出来ます。
ということで、“家はこういうものである”
という固定概念に縛られて、
家を負担にしてしまうことのないよう、
充分注意して家づくりを行っていただければと思います!